珈琲雑学

1.コーヒーの木

コーヒーの木はアカネ科の常緑樹で原産地はエチオピアのアビシニア高原です。
種を蒔いてから3〜5年で花が咲き実がなります。
花は白く1センチ程度でジャスミンに似た香りで開花後1〜2日で散ります。6〜8ヶ月で実が青緑から赤く成熟します。
実がサクランボに似ていることからコーヒーチェリーと呼ばれ実の種子がコーヒー豆になります。
コーヒーの実の収穫可能年数は約30年で、豆は外皮、果肉、パーチメント(中皮)、シルバースキン(薄皮)に包まれています。
通常豆は一対の豆が平らな面を密着していて、これをフラットビーンズと言います。
まれに1個の豆しか出来ないものがあり、これをピーベリーと呼びます。

主な栽培地は、赤道をはさんだ南北約25度のコーヒーベルトと呼ばれる熱帯地域で、暑すぎず寒すぎないのがコーヒーの木の適地です。

店にも観賞用の小さなコーヒーの木があります。大切に育てていきたいと思っています。

コーヒーの木コーヒーの木


2.コーヒー豆の種類

コーヒーには多くの品種がありますが、主なものは3大品種と呼ばれるアラビカ種ロブスタ種リベリカ種の3つです。

このうちもっとも飲まれているのがアラビカ種で全体の約70%を占めています。
一般的に専門店、カフェ、小売店などで見かけるコーヒー豆のほとんどがアラビカ種です。
原産地はエチオピアで、比較的標高の高い所で栽培され、病害虫に弱い難点がありますが味、香り、品質も良く人気の高い品種です。

ロブスタ種は主にインスタントコーヒーや、一部ブレンド用など使用されていて全体の約30%を占めています。
原産地はコンゴでアラビカ種に比べ標高の低い所でも栽培でき、病害虫にも強く収穫量も多く期待できる品種です。酸味が少なく苦味が強いのが特徴でアラビカ種に比べ品質が少し劣ります。

リベリカ種は苦味が強いのが特徴で、極わずかしか生産されず全体の1%以下です。
原産地はリベリアでロブスタ種と同様に標高の低い所でも栽培でき、病害虫にも強いのですが生育期間が他の品種の2倍ほど長くかかるのため、ほとんど生産流通されていません。
コーヒー豆



3.コーヒー発祥の地

最も古いアラビカ種はエチオピア説とイエメン説がありますがエチオピア説のほうが定説となっているようです。

最初に発見されたのはエチオピアのアビシニア地方でエチオピアからイエメンに移植されたのは西暦575年〜850年頃で、当時アラブ諸国にエチオピアからスパイス貿易が行われていて、そのなかの一つにコーヒーが含まれていたようです。

コーヒーが発見された伝説的な話の一つは、イスラムの僧がある町を訪れたとき鳥が赤い実をついばんでいるのを見てその実を口にすると不思議なことに疲れがとれました。
その後町で病気がまんえんしたときその実を煮て与えたところ病気が治ったという話です。

もう一つはヤギ飼いの少年が元気よく飛び回っているヤギたちが赤い実を食べているのを見て自分も食べてみたら全身に活力がみなぎってきた。
このことを修道士に告げると、睡魔に打ち勝つ秘薬として広まっていったという話です。



4.コーヒー名称の由来

アラビアにはカフワという酒がありコーヒーを飲むと興奮し心身ともに元気づける作用が酒を飲んだ時の作用に似ているからの説と、原産地のエチオピアのカファ(Kaffa)地域の地名説があります。

コーヒー飲用の始まったアラビアではコーヒーを煎じて作った飲み物のことをカフワ(Kahwah)と呼んでおり、その後トルコに伝わりカーヴエ(Kahveh)と呼ばれるようになって、イギリスではコッフィー(Coffee)、フランスではカフェ(Cafe')という名称になりました。

日本語の「珈琲」の「」は花かんざしの玉、「」はかんざしの玉をつなぐひものことで、コーヒーの木の枝の姿が花かんざしに似ていることから、幕末の洋学者「宇田川よう庵」によって作語されました。
コーヒーの木


5.コーヒー飲用の歴史

コーヒーを飲む コーヒーが飲まれ始めた西暦900年頃アラビアではコーヒーの果実をそのまま食べたり、果実を発酵させ酒のように利用したり、生豆を煮出して薬として飲用していました。

多く利用されていたのはイエメンを中心にイラク、エジプト、トルコなどのイスラム教の高僧たちで、儀式の前に飲むのが習慣だったそうです。
15世紀中頃には一般にも飲まれるようになりヨーロッパに伝わったが、始めは薬としての飲用でした。
1602年にローマへ、1615年にベニスに、1616年にはオランダに、1641年にはイギリスに、16644年にはマルセイユに、1657年にはパリに渡ってヨーロッパで広く飲まれるようになりました。
始めは煮出し式のトルココーヒーが主流でしたが1700年代以降に新しい抽出法や器具がヨーロッパで考案され始めました。

本格的なコーヒーショップは1645年にイタリアのベニスのサンマルコ広場に開かれ、現在ベニスにある有名な「カフェフローリアン」は1720年に開かれています。
現存する最古のコーヒーショップはパリの「カフェ・プロコプ」で1686年に開かれています。
ヨーロッパに伝わってからは、キリスト教徒の迫害や弾圧にあったが、当時ワインを大量に飲んでアルコール中毒の多かった時代からコーヒーはノンアルコールでしかも薬用効果がある飲料だと評価され、急速にコーヒーショップでの飲用が広がりました。
イギリスではイタリアより40年弱遅れて伝わったが他の国より広がりのスピードが速く、1652年にはロンドンで初めてのコーヒーショップは開かれ、1887年には現在のロイズ保険会社の前身がテムズ川の近くにコーヒーショップを開き1700年代には2000店とも3000店ともいわれるほどのショップが誕生しました。

最初はコーヒーに砂糖をいれて飲む習慣はなく、1625年頃にカイロで砂糖を入れたコーヒー店があったとされ、砂糖が一般的に使われるようになったのはヨーロッパでコーヒー広まったてからかなり経った1700年初めになってからです。

初めてコーヒーにミルクを入れて飲んだのは1660年頃、中国滞在のオランダ大使で、ミルクティーの代わりにコーヒーにミルクを入れて飲んだのが最初だそうです。
また、1685年頃フランスの医者がカフェ・オ・レを医薬として用いており、その後家庭でのむコーヒーとして普及していきました。

日本にコーヒーが伝えられたのは年代ははっきりしないが、1690年頃、長崎の出島にいるオランダ人がコーヒーを飲んでおり、当時接触のあった日本の役人や商人らがご馳走になったと考えられ、その後1700年代にはジャワ産のコーヒー栽培が本格的になり、日本にも搬入されたのではないかと推定されています。

1742年著の「和蘭問答」にコーヒーのことを「唐茶」と記されています。
日本最初のコーヒー店は1888年(明治21年)東京の上野に開設された「可否茶館」でした。
コーヒーショップ


6.コーヒーの生産国と消費国

コーヒー豆 コーヒーの生産国1位ブラジル、2位以下にベトナム、コロンビア、インドネシアがつづきます。
一方消費国ではアメリカ1位、2位ドイツにつづき日本3位です。4位以下はイタリア、フランス、スペイン、オランダ、イギリスなどのヨーロッパ諸国がつづきます。
国民一人当たり年間消費量では、日本約300杯飲み、消費量1位のアメリカでも約400杯であるのに、北欧のスウェーデンフィンランドでは800杯〜1000杯も飲んでいます。
寒い国のほうがコーヒーをよく飲むのでしょうか



7.コーヒーの効果

コーヒー豆の成分
成分(%)
油脂13%
たんぱく質13%
炭水化物60%
灰分4%
クロロゲン酸8%
トリゴネリン1%
カフェイン1%

コーヒーは始め薬として飲用されていたことからもいろいろな効用があります。
芳しい香りは脳のリラックス効果と活性化をもたらします。
成分のカフェインはストレスを緩和し心臓の拍動高めることにより、血液循環を良くし血圧を下げる働きがあり、さらに善玉コレステロールを増やし動脈硬化を防ぐ効果もあります。
また、カフェインは脂肪の燃焼を促進しエネルギー代謝を活性化させることからダイエット効果が現れて生活習慣病の予防に役立つことも考えられます。

トリゴネリンが脳細胞を活性化させ痴呆予防の可能性があります。
コーヒーを飲むと利尿作用を促進し体内毒素の排出にも役立ちます。

コーヒーは一時「胃に良くない」とか「がんになる」とか言われたことがありましたが、その後さまざまな研究結果により、コーヒーの成分のクロロゲン酸により逆にがんの抑制作用があることがわかりました。
愛知県の病院が発表した7万人分の調査結果ではコーヒーを1日3杯以上飲んでいる人の方が飲まない人より直腸がんの危険度が半分になることがわかりました。
強力な抗菌作用によりピロリ菌や大腸菌を激減させるため、胃潰瘍胃がん食中毒に有効です。


出典:「なるほどコーヒー学」金沢大学 コーヒー学研究会著 旭屋出版
    「珈琲パーフェクト・ブック」小池康隆著 日本文芸社 など


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